2015年2月14日土曜日

伝統建築の移築と活用

鹿児島県霧島市に
茅葺きの古民家を6軒も移築して造られた温泉宿泊施設
忘れの里 雅叙宛があります。

古民家風の温泉旅館は全国各地にいくらでもありますが
昭和50年代に大規模大型温泉施設の建築ラッシュのさ中
忘れ去られた日本の原風景をコンセプトにするような所は無く、
今では珍しく無くなった温泉付個室を初めて造ったのも
田島社長だったそうです。

食事も全国どこにいっても似たり寄ったりの懐石料理が当たり前の時代に
いわゆる地産地消の地の物をいち早く提供し、
野菜の栽培や地鶏の飼育まで自社で行なっていたそうです。

秋田県にも空き家となった茅葺きの古民家は沢山有るし
かつて旅館であった大正時代の建物も残っています。
中には京都から移築したと伝えられる旅館や
昭和10年にブルーノタウトが実際に宿泊した旅館も
廃業した状態で現存しています。

伝統的な建物を有効に活用し
その収益の中から修繕費用を賄える様にする事で
持続可能な保存が可能になります。
こういった施設が実際に存在しており
大仙市強首の樅峰苑(大正時代)や
秋田で最も有名な温泉鶴の湯の本陣(江戸初期)も民間経営で
実際に古い建物に宿泊出来る温泉宿として大変人気を博しています。

町営の宿泊施設で温泉は付いていませんが、素泊まりで安く泊まれる茅葺きの古民家
盆城庵も五城目町にあります。貸切で人里離れた場所に有るので
釣り人にも人気の宿で隣には農家レストランもあります。


樅峰苑内部