秋田市の太平地域は古民家が多く残っており
県の調査対象として記録されているものだけでも
江戸時代の古民家が8軒、明治時代が3軒と
火災の影響で古い建物が殆ど残っていない
城下町に比べると纏まった形で残っていると言えます。
縄文時代から集落があった痕跡もあり
歴史的にも大変興味深い地域でもあります。
とはいえ、殆どの古民家は現在もなお住居として使われているもので
周辺にも住宅が数多くある事もあり、
一般の人が見学に行ったり出来る環境にはありませんが
今後住む人がいなくなってしまったとしても
解体される事無く、何らかの形で保存してほしいものです。
実際空家と見受けられる古民家が1軒ありました。
古くから集落が形成される地域と言う事で
当然神社も多い地域です。
若宮八幡宮は応安乙酉年(1369)創立で
安藤氏や佐竹氏によっても管理された由緒ある神社です。
参道両脇には数百年級の欅の大木が
火災により焼失し、昭和12年に再建された現在の本殿
本殿から見下ろす広大な境内。参道入り口の鳥居が遠くに見えます。
境内には真っすぐに伸びる杉の大木が何本も。
若宮八幡神社から車で数分の距離に、勝手神社があります。
創建は鎌倉時代と大変古く、現在の地に移されたのは明暦6年(1666)です。
運慶作と伝えられる仏頭や文化9年(1812)作の人面顔狛犬も残されています。
樹齢不明の御神木
樹齢300年の杉並木
本殿は明治8年の改築で昭和43年に銅板葺きに改築されました。
余談ですがこの勝手神社のある黒沢部落は箕(み)の特産地だったらしく、
この神社の授け給わる門外不出の技術であったそうです。
いまでもこの技術、残っていたらいいのですが。
※箕(み)農作業等で使う大きな手編みのちりとりのような道具。
現代ではプラスチック製品で同型のものがホームセンター等で売られている。
※箕(み)農作業等で使う大きな手編みのちりとりのような道具。
現代ではプラスチック製品で同型のものがホームセンター等で売られている。
どんな小さな集落に行っても必ずと言っていい程見つけられる大小様々な神社。
かつてはお寺と併設されていたり、
今でいうコミュニティーセンターのような役割も担っていた場所です。
日本の数百年の歴史を想像しつつ、境内でゆっくり過ごすのも格別なひと時です。