2015年2月12日木曜日

観光拠点としての文化財利用(天徳寺〜如斯亭)

関ヶ原の合戦後の江戸幕府の成立により
佐竹氏は出羽国へと転封となり現在の秋田市に居城を構え
慶長7年(1602)久保田藩が誕生しました。

佐竹氏の菩提寺として現在の楢山に天徳寺が移転しましたが
寛永元年(1624)、火災により総門を残して全焼。
9年の歳月をかけて現在の泉に再建され今に至ります。


本堂、書院、山門、総門、佐竹家霊屋が重要文化財に指定され、
十六羅漢像など多くの寺宝が市の文化財に指定されています。
屋根は茅葺きで毎年少しずつ補修され美しいシルエットを保っています。
一般公開はされておりませんが、それでもカメラを手にした参拝客が
日常的に訪れているようで、内部には佐竹氏の遺物も展示されております。

天徳寺から徒歩10分の距離にあるのは
旧佐竹藩主佐竹氏別邸庭園如斯亭です。
藩主の鷹狩りの際の御休所や藩の迎賓館、文人 墨客の
交友の場として大いに活用されました。
寛保元年(1741)に当時の藩主に庭園が整備され、
園内には茶室もあり、かつては遠州流の流れをくむ庭園として称されました。
明治以降民間所有となり残念ながら戦後に母屋と庭園の一部を残して
宿泊施設に改築されましたが、平成19年には国の名勝にも指定を受け
現在一般公開に向けた修復整備中です。
母屋も一部現存しており、復元されれば新たな観光施設として
蘇ると期待されています。

天徳寺と如斯亭は徒歩圏内ですので
例えば如斯亭の完成に合わせて天徳寺も一般公開されるようになれば
観光スポットが少ないと言われている秋田市の
新たな観光エリアとしても期待が持てます。
現在検討中の外旭川駅の予定地も近いので
もし駅が設置されれば将来的に千秋公園から秋田駅を経由し
電車で回遊する流れも考えられます。

そうなってくると、天徳寺から保戸野及び如斯亭から秋田駅に通じる
街道沿いの商店街は空き店舗が多いので
お土産屋や飲食店等が出店する事で地域への経済効果も期待が持てるはずです。

歴史的な文化施設は観光スポットとしても人気がありますし
観光客が増える事で地域経済も潤い
地元の経済圏だけでは成立しないような店舗やビジネスにもチャンスが生じます。
住む人にとっても、訪れる人にとっても楽しめるまちへと
観光の力でつくりあげていくのも、一つのアイディアではないでしょうか。